昭和天皇の女婿であられる東久邇盛厚殿下の発明哲学は、
「発明には上下の貴賎はない。小発明ほど尊い、ノーベル賞を百とるより、国民一人一人の小発明が大切だ。うまいミソ汁を考えた人には文化勲章を与えよ」といわれて我々の名誉総裁になってくれた。
晩年、病に臥せられたとき私を招いて 「わが家の名と財産を使ってよいから、産業や文化の発展に尽くした方に皇族賞を出して顕彰してほしい」と仰せられた。
この東久邇宮記念賞は、その遺言によって生まれたのである。
名誉顧問には総裁夫人である東久邇佳子様がなられている。この賞は、髙松宮賞、秩父宮賞と共に三大宮様賞として親しまれている。
平成9年11月 豊澤豊雄 謹記